TKC勘定科目配置基準(5)
2020年2月20日
5 正確な月次決算をするために
(1)会計処理基準を統一する
①生命保険料
1.人件費科目「6226厚生費」で処理をする。 ⇒継続MAS・FX2では人件費に集計
2.一般管理費「6224保険料」で処理をする。 ⇒継続MAS・FX2では設備費として集計
※管理会計的には生命保険は「6226厚生費」、損害保険は「6224保険料」で処理することが
好ましい。
②長期借入金
1.長期借入金の内、1年以内に返済する金額は「2135 1年以内返済長期借入金」に計上
する。
2.それ以外の金額は「2212長期借入金」に計上する。
3.月々の返済額は「2212長期借入金」から減額する。
③未払金
1.未払金の内、1年以内に支払期限が来る金額は「2114未払金」に計上する。
2.それ以外の金額は「2219長期未払金」に計上する。
3.毎月の支払額は「2114未払金」から減額する。
4.決算時に来期に支払期限が来る金額を「2219長期未払金」から「2114未払金」へ
振り替える。
※②③のように処理することで流動負債部分と固定負債部分を正しく区分することになり、
当座比率、流動比率、固定比率、固定長期適合率などの分析値が正しい実態を表すことに
なる。
※それぞれがそのようにすれば良いということではなく、事務所全体で科目配置基準を守る
と共に会計処理基準の統一を図ることが管理会計を志向する会計事務所となる。
(2)会計処理は発生主義を採用する
(3)正しい月次損益を把握するために次の仕訳をする
①期首たな卸高(5111等)の計上
期首月 期首たな卸高(5111) / 商品(1131) 等
同月末 商品(1131) 等 / 期末たな卸高(5311)
②期末(月末)たな卸高(5311等)の計上
月 初 期末たな卸高(5311) / 商品(1131) 等
同月末 商品(1131) 等 / 期末たな卸高(5311)
③減価償却累計額(1225)の計上
月 次 減価償却費(5455,6214) / 減価償却累計額(1225)
決 算 減価償却累計額(1225) / 減価償却費(5455,6214)
減価償却費(5455,6214) / 機械・装置(1213) 等
④賞与引当金(2126)の計上
月 次 賞与(5432) / 賞与引当金(2126)
賞与月 賞与引当金(2126) / 賞与(5432)
賞与(5432) / 現金(1111)
⑤退職給与引当金(2214)の計上
月 次 退職金(5438) / 退職給与引当金(2214)
支給月 退職給与引当金(2214) / 退職金(5438)
退職金(5438) / 現金(1111)
⑥繰越利益剰余金の期首振替
期 首 繰越利益剰余金(3331) / 繰越利益剰余金期首残高(9211)
--------------------------------------------
事務所指導の会計を管理会計にするためには職員に任せればよいという問題ではない。
事務所全体で行うことが体質改善になる。
--------------------------------------------